先日、クライアント先から『本社屋を建てて本社を移転したいので5億円くらい資金調達をしたい』と相談がありました。
単純に本社機能だけの建物だと、直接的に収益をうまない投資となり、本社屋の融資の返済財源は既存事業のキャッシュフローで返済できるかの判断になります。
キャッシュリッチで収益力の高い会社であれば問題ないのですが、既存事業のキャッシュフロー余力があまりない又は不足している会社の場合は、直接的に収益をうまない投資はハードルが高くなります。
ここで冒頭の相談に戻りますが、この相談は詳しく掘り下げてヒアリングすると現在分散されている○○業務をしている店舗をこの新社屋に集約して○○センターとしての機能を持たせたいというものでした。
そうなると分散している店舗が賃貸ですので、この家賃分が削減され、さらに店舗を集約することで人件費含めた経費削減もできる計画ということが分かり、この家賃含めた経費削減分が返済財源となります。
逆算して投資額を算出し、建設会社と打合せの上、図面を変更して、金融機関が融資しやすい組立にすることが出来ました。
また細かい話ですが、金融機関に融資相談する際も『本社屋建設の融資相談』ではなく『○○センターを建てて○○業務をしている店舗を集約したい。ついでに本社機能も移転する』と表現を変えて伝える事も大事です。
融資の組立は『絵を描く』や『ストーリーを描く』と表現されますが、金融機関が融資の取組をやりやすいように絵を描いて、ストーリーを作り上げる事が私どもコンサルタントの仕事だと思っています。
