一般の銀行は、日本政策金融公庫と違って「借入申込書」がなく、「面談」で借入申込みをすることになります。
銀行員時代から、思っていることですが「なぜ、銀行は、初回訪問時に必要な書類を開示しないのか?」「必要な書類を明示しておけば、お互いに有益な面談ができるのに」
もちろん、必要な書類を開示して初回面談をする銀行員もいますが、多くはまずは話を聞いてからというスタンスの銀行員が多い気がします。
最近、「銀行に初めて融資を申し込む時にどうしたらいいですか?」というお問い合わせがありました。
具体的には、
・現状、公庫のみの借り入れだが、今後の事業拡大を見越して一般の銀行から融資を受けたい。
・現状、一行取引だが、複数の銀行と取引しておきたい。
初めて銀行に融資を申し込む時には、 3期分の決算書を持参して、「会社概要」「事業内容」「借入内容」などを口頭で話すというものを想定していませんか?
元銀行員として本音を言うと、決算内容がわからない状態で「会社概要」「事業内容」を説明されても、判断ができず、何となく聞くにとどまっています。
そこで「では、後日、ご連絡します」という回答になってしまいます。
初めての銀行訪問を受ける銀行の立場の経験からお話をしますね。
まず、口頭で、いきなりいろいろと「事業内容」など説明されても、話を消化しきれません。
さらに、「事業内容」を熱心に説明されても銀行員は、皆さんが思っているほど業界に詳しくないので、よくわかりません。
なので、「事業内容」は、融資取引が決まってから詳しい説明をすることとして、 融資を申し込む時は、「概要がイメージできるくらい」で十分です。
一番のポイントは「決算概要」です。
決算書3期分を紙で渡されても、その場で内容を把握するのは困難です。
しかし、初回面談の中で銀行が、一番知りたいのは、「決算内容」です。
そこで、「銀行の知りたい決算書のポイント」をA4の1枚の様式にまとめます。
すると、銀行員は、「この案件は、融資の話を進められる」もしくは「この案件は、融資の話が難しいな」というものを、感触をつかんだうえで、熱心にこちらの話を聞くことができます。
初めて銀行に訪問する時には、「どんなことを聞かれるのか?」「どんなことを話したらいいのか?」という不安が、ありますよね?そんな不安を解消するためにも、ポイントをまとめた書面を準備しておくと銀行員も検討するのに参考になりますので、みなさんもやってみてください。